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甲状腺の病気

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はじめに

甲状腺の病気は女性、特に20歳~40際代の女性に多い疾患です。

その理由ははっきりしていませんが、バセドウ病(自己免疫疾患のひとつで甲状腺ホルモンが無秩序に過剰分泌される病気)や、橋本病(慢性炎症によって、甲状腺が腫大あるいは萎縮し、甲状腺ホルモンが不足する病気)は、それぞれ甲状腺自己抗体が原因の自己免疫疾患のひとつです。

甲状腺ホルモンの異常による病気は、全身に実にいろいろなつらい症状があらわれ、どこが悪いのかもわからず「いつも調子が悪い状態」となります。そして気のせいとか、ただの怠け者とか誤解されている人も少なくありません。

これらの病気は、適切な診断と治療を受ければ、健康な人と同じように毎日快適な生活が送れるようになります。
しかし、甲状腺の病気であることに気づかず苦しんでいたり、また容貌や性格の変化にとまどい、悩んでいる方が少なくないようです。

どうも体の調子が悪い、すっきりしないと感じられている方、このホームページを見て思い当たる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

甲状腺のはたらき

甲状腺はのどぼとけの下に、蝶が羽を広げて気管を抱くような形で存在しています。大きさは左右に広く縦4cm厚さ1cmで重さは15g、正常の甲状腺は柔らかいので外からは触ってもわかりません。

甲状腺では体の成長や新陳代謝を調節するのに必要な甲状腺ホルモンが作られています。
ホルモンとは体の中で作り出される、微量で大切な働きをするものの総称です。

これまで50以上のホルモンが見つかっていますが、甲状腺ホルモンはその中でも最も重要なもののひとつです。甲状腺から分泌されたホルモンは、血液によって全身に運ばれて働きます。

甲状腺ホルモンの主な作用は新陳代謝を活発にすること、すなわち食物に含まれる各種の栄養素がうまく体内で利用されるように働きます。甲状腺ホルモンが不足すると、この新陳代謝が低下するために、体の様々な働きが鈍くなります。脈が遅くなったり、便秘になったり、頭の回転も悪くなり、子供では身長が伸びにくくなります。新生児では、脳の発育や成長が遅くなり、知能障害や身長が伸びないクレチン症という先天性甲状腺機能低下症の病気を引き起こす原因となります。逆に過剰になると代謝が活発になりすぎて、食べているのに痩せてきたり、常に脈が速く汗をかいて、いつもマラソンをしているような状態になり、疲れやすくなります。

このように甲状腺ホルモンは発育や成長に欠かすことができず、また全身(脳、心臓、消化官、骨、筋肉、皮膚、その他)の新陳代謝を活発にする働きがあり、精神神経や身体の活動の調整にも働きます。

甲状腺の病気

甲状腺の病気は様々な種類がありますが、大きく分けると次の3つになります。

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症は、様々な原因で甲状腺ホルモンの分泌が増えて(血液中の甲状腺ホルモンが多すぎる)、体の新陳代謝を必要以上に高める指示を出してしまうために起こる疾患です。

ですから年中暑がり、汗が出て、だるくなり、怠け者や更年期障害と間違われやすいのです。原因疾患として、一番多い病気はバセドウ病です。他に何かの原因で甲状腺組織が破壊され、一過性に甲状腺に貯められていたホルモンが血中に流れ出る無痛性甲状腺炎や、高熱が出て甲状腺部位が痛む亜急性甲状腺炎、ホルモンを分泌する腫瘍ができる甲状腺機能性結節などがあります。

主な症状…疲れやすい、だるさがある、発汗過多、動悸、息切れ、手足が震える、暑がり、食欲が旺盛、イライラする、口が渇く、不眠、脱毛、眼球が出てくる

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、逆に甲状腺の働きが衰えて、血液中の甲状腺ホルモンが少なくなる疾患です。冷え、皮膚の乾燥、無気力、もの忘れ、いつも眠い、受け答えがゆっくりになるなどの症状が出るため、怠け者やうつ病と間違われることもあります。ほとんどが甲状腺に慢性の炎症がある橋本病ですが、血液中の甲状腺ホルモンが正常の範囲内にあり、甲状腺の腫大の少ない橋本病の場合は、特に治療の必要はありません。

また、特発性粘液水腫といって、甲状腺が破壊され萎縮したために甲状腺ホルモンが作りきれなくなってしまう病気もあります。

主な症状…疲れやすい、だるさがある、気力がない、汗が少ない、脈拍数が少ない、寒がり、顔や全身のむくみ、体重が増える、皮膚が乾燥する、声がかれる、眠気、物忘れしやすい、動作が鈍い、脱毛、便秘、筋力低下

腫瘍性疾患(腫瘍ができ、それが悪性かどうかが問題なる病気)

代表的疾患としては腺腫(せんしゅ)、腺腫様甲状腺腫(せんしゅようこうじょうせんしゅ)、がんがあります。
腫瘍の多くは甲状腺機能には影響しないため、体調や精神状態に大きな症状が出ることはありません。

しかし腫瘍には良性と悪性があり、良性の結節性甲状腺腫には、甲状腺腺腫と、腫瘤が多くできる腺腫様甲状腺腫と、甲状腺ホルモンを分泌する甲状腺機能性結節があります。
甲状腺悪性腫瘍は、乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がん、悪性リンパ腫など5種類に分けられています。

バセドウ病と橋本病

ここでは、甲状腺の病気の中で最も代表的なバセドウ病と橋本病について説明します。この2つは自己免疫で起こる病気です。
免疫というのは、はしかに一度かかったら二度かからないというように、体を守るためにあるものです。

そしてこの体を守るための免疫反応が体にとって悪い方向に働く状態をアレルギーといいます。このアレルギー反応というのは、花粉症のように体の外のものに対して起こるものなのですが、その反応が自分の体の組織に対して起きてしまった結果、病気になってしまうことがあります。

それを自己免疫疾患というのです。

バセドウ病や橋本病は自分の甲状腺にアレルギー反応を起こしたために起きてくる病気なのです。

バセドウ病

甲状腺機能亢進症の代表的な病気がバセドウ病です。

この病気は、甲状腺臓器の特異性な自己免疫疾患のひとつで、自己の甲状腺に対する抗体(抗TSH抗体)が甲状腺を刺激するために甲状腺が腫大し、ホルモンの産生、分泌が亢進する疾患とされています。1000人中2~6人いると言われており、女性患者が男性患者より5倍と多いのも特徴です。

バセドウ病では、甲状腺ホルモンが大量に産生されますので甲状腺機能亢進症となります。
甲状腺ホルモンは、体の代謝に重要なホルモンですが、多すぎると代謝が異常に亢進した状態、例えば激しい運動をしたときのような症状が出ます。食べても食べても体重が減り、疲れやすくなるのが特徴です。脈が速くいつも動悸を感じ、汗が多く、手の震えを自覚します。ほとんどの例で甲状腺が腫れます。この腫れを甲状腺腫といい、バセドウ病では全体に腫れるのでびまん性甲状腺腫といいます。

また、眼の症状もバセドウ病の特徴のひとつです。まぶたが腫れる眼瞼浮腫、眼球が飛び出す眼球突出などがよく見られる症状ですが、進行すると眼球運動に支障をきたし、ものが二重に見える複視や、視神経が圧迫されて視力低下をきたす重症例もあります。

バセドウ病の治療

甲状腺の働きが活発になりすぎるバセドウ病の治療は、甲状腺ホルモンが過剰につくられないようするものです。バセドウ病の治療方法には、抗甲状腺剤の内服、手術(甲状腺亜全摘術)、アイソトープ治療(放射性ヨード内服)の3つの治療法がありますが、病気の程度やライフスタイルによって選択は異なります。

  1. 抗甲状腺薬
    甲状腺ホルモンの合成を阻害する薬です。
    MMI(メルカゾール)とPTU(チウラジール・プロパジール)があります。
  2. 甲状腺亜全摘術
    手術で甲状腺を約5g程度残して切除します。
  3. アイソトープ療法
    放射線による治療ですが、内照射といって薬を飲んで甲状腺内部から照射する方法です。

どの治療法を選ぶにしても、ポイントは甲状腺ホルモンを正常な量にコントロールすることです。治療の効果が出て甲状腺ホルモン量が正常になれば、健康な人と変わらない生活ができます。

橋本病

甲状腺機能低下症の代表的な病気が橋本病です。

こちらも女性に多い病気で、成人女性20~30人にひとり程度の頻度でみられます。
男性では女性に比べて約20分の1程度の人にしか発症しません。

橋本病では通常甲状腺が全体的に腫れており、びまん性甲状腺腫といわれます。稀に甲状腺の腫れがなく、逆に萎縮している場合もあります。炎症があるといっても、通常は甲状腺に痛みがあるわけではなく腫れているだけです。炎症がひどくなくて甲状腺機能が正常に保たれているときは、甲状腺腫以外には症状はありません。また無症状のことも多いので自分では気づかないことがよくあります。

甲状腺が腫大したり、のどの違和感を訴え橋本病と診断されても、すべての橋本病が甲状腺機能低下症を伴うわけではありません。約40%の人に機能異常があります。甲状腺機能が低下してきますと様々な症状が出現します。甲状腺ホルモンは、体の代謝を司り、体中のほぼすべての細胞が必要としていますので、欠乏すると体全体の働きが低下してきます。甲状腺機能低下症の症状を以下にまとめてみました。

全身症状
だるい、疲れやすい、動作が鈍い、寒がり、体重増加、声かれ、低体温
顔つき・首
むくみ、甲状腺腫大、のどの違和感
神経・脳
物忘れ、無気力、眠気、思考力低下、反射遅延、昏睡
循環器
徐脈、息切れ、むくみ、心肥大
消化器
食欲低下、舌が肥大、便秘
皮膚
汗が出ない、皮膚乾燥、脱毛、眉が薄くなる、皮膚の蒼白
筋肉・骨
脱力感、筋力低下、肩こり、筋肉の疲れ
月経
月経不順、月経過多
血液値
コレステロール上昇、肝障害、貧血
橋本病の治療

橋本病で治療が必要なのは、以下の2つです。

  1. 甲状腺が腫れて大きくなり、のどに違和感がある場合
  2. 甲状腺機能が低下している場合

(1)の場合では、甲状腺ホルモン剤を服用して様子をみますが、甲状腺が大きくなって気管を狭窄している場合は手術が必要になる場合があります。

(2)の場合では、甲状腺ホルモン剤を服用して不足しているホルモンを補充します。補充療法ですから、根本的に治癒しないために、一生毎日薬を飲み続けていただくこととなります。
橋本病は、甲状腺機能が正常な人は治療の必要はありません。しかし、将来甲状腺ホルモンが低下する可能性があるので、3~6ヶ月に1度ずつ診察を受ける必要があります。

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